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2006年6月20日 (火)

消費者金融会社の正念場はこれから


フィッチ・レーティングスが日本の消費者金融会社についてコメントを発表した。
貸付上限金利引き下げは政治的に規定路線のようだが、そもそもアイフルの取立問題を消費者金融含むすべての貸出(クレジットカードのキャッシングも含む)の上限金利問題にすり替えられてしまった。
しかも、上限金利の妥当性の論議も不十分。大体海外なんて、もっと高利で貸すことが合法的に認められているのにねえ(例えば、アメリカなんて、州によっては上限金利のないところもある)。
本当にめちゃくちゃな論理なのだが、間違いなく一時は高収益でもてはやされた消費者金融も、上限金利問題や金利上昇に伴う調達コストの増大により、ジリ貧業種となっているのは間違いなさそうだ。

 
日本の消費者金融会社は業務の更なる多様化が不可欠とコメント 

フィッチ・レーティングス (「フィッチ」) は本日発表のコメントの中で、日本の消費者金融各社は、上限金利引き下げの可能性のある現状や、従来の無担保消費者金融市場が成熟している状況から、収益性の確保には商品や事業領域の多様化を更に推し進めることが不可欠と述べた。

国内大手消費者金融5社の見通しについての当該スペシャル・レポートの中では、従来の無担保消費者金融市場は1990年代に急成長を遂げたが、その成長が繰り返されることはないと思われることから、消費者金融各社は収益源の多様化を図っていることについて述べられている。ここでの大手5社とは、アコム株式会社 (「アコム」)、アイフル株式会社 (「アイフル」)、プロミス株式会社 (「プロミス」)、株式会社武富士 (「武富士」)、三洋信販株式会社 (「三洋信販」) を指す。依然として単一ローン商品にほぼ特化している武富士を除き、その他4社は独自のビジネスモデルを確立してきた。アコムとプロミスは、メガバンクの株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループと株式会社三井住友フィナンシャルグループと提携を行った。またアイフルと三洋信販は、クレジットカード会社を買収している。

現在貸金業者に適用される上限金利 (29.2%) を、利息制限法に定められる上限金利 (平均的元本額で18%) と同水準に引き下げるべきかについての議論は引き続き過熱している。仮に上限金利が18%に引き下げられたとしても、これまでの様な収益性こそ確保できないものの、日本の大手消費者金融会社の最終黒字計上は可能である。貸出金利の引き下げにより、消費者金融会社のバランスシートは健全化が進むとも考えられるが、資産規模と収益性レベルが向上するかについては各社の経営方針による。今年後半に上限金利の具体案が明らかとなった際には、フィッチは格付を付与している消費者金融会社に及ぼす影響を反映させ、格付の見直しを行う予定である。

今年前半、金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」は、現在29.2%の上限金利を利息制限法で定められている上限金利 (元本の額により年利15%、18%、20%のいずれか) と同水準に引き下げることを示唆した。懇談会は貸し手が課す高い利息と、多重債務に陥っている消費者への依存状況を特に問題視した。しかしフィッチは、懇談会の意見は、消費者金融会社の高金利や高圧的な回収方法に対する批判のみを反映した一方的な見方であると考えている。政治家には消費者金融会社に対する批判を積極的に行っているような意見もあれば、一方で上限金利の大幅な引き下げは消費者金融会社に痛手となるだけでなく、特に低所得者層にとっては借入の機会が減ることにもなる点を認識した意見も出ている。社会基盤を改善することの議論を抜きにしては、当問題は容易には解決に至らないだろう。


当該スペシャル・レポート「Japanese Major Consumer Finance Companies . Annual Review for FYE06 and Outlook」は弊社ウェブサイトwww.fitchratings.comにてご覧頂けます。(以上フィッチ・レーティングスの発表より)

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投稿: パピヨン土方 | 2006年8月18日 (金) 06時22分

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