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2006年6月24日 (土)

<国債残高>国の借金827兆円 過去最大を更新!~その問題点と処方箋


だそうである。それはそれで事実なのだが、問題はその後だ。
マスコミは経済の仕組みをよくわかっていないから、安直に日本人の総人口で割って、「国民一人あたりの借金648万円!」と書きたがる。
しかし、筆者のブログを読んでくれる奇特な人は、そんなありきたりのことを期待していないだろうから、別のことを書こうと思う。

そもそも、何で国の借金イコール国民の借金と人々は考えるのか。
国が借金すると、国民が将来税金で返さないといけないから、というのがその理由だろう。
それは果たして本当か。
国債とは一体何か。
国家が発行する債券である。
ということは、債券を購入している投資家がいるわけであり、その人から見れば借金ではなく、資産である。
では、一体誰が買っているのか。
実は日本人(正確には、日本の生保などの機関投資家や少数ながら個人投資家)が(最近の正確なデータはわからないが)9割以上買っているはずである。
つまり、国債の発行によって国民の借金が増えているというのであれば、それと同時に国民の資産も増えていると言える。

だから、単純に国民の総人口で国債発行残高を割って、「国民一人あたりの借金648万円!」と書くのは意味がないのだ。

では、国債発行残高が増えても問題がないかというと、そうではない。
国家の歳入(お金の入り)を大きく分けると、税金と国債による借入とがある。
税金は、お金を出してくれた人に返す必要がない歳入であり、国債は、お金を出してくれた人に利子を付けて返さなくてはならない歳入である。
本来歳出というのは、防衛や社会福祉、教育、インフラ整備など国民みんなのために使われる。
このとき、所得の多い人から多めに税を取り、所得の少ない人からはあまり税を取らないが、使うときは国民全員にとって役に経つものに充当する。
このため、税金は所得再分配の機能を持つと言われている。
しかし、国債が増えてしまうと、みんなのために使うべき歳出が、国債を買ってくれた一部の人への利払いや元本への返済に使われてしまう。
したがって、所得再分配の機能をそいだり、財政の硬直化を招いたりするわけだ。
つまり、国債の残高が増えると、将来への負担の先送りという将来の問題よりはむしろ、現時点の財政に影響の出る問題なのだ

では、どうしたらよいのか(続く・・・)。

ところで、このような考え方は私オリジナルではなく、経済学界でも少なからずある考え方なのだ。ところが、マスコミというのはバカの一つ覚えというかなんというか、このような考え方があることも紹介せずに、国の借金イコール国民の借金と喧伝し、増税ありきの政府の思う壺となっているわけだ。ちなみに、このような考え方をする代表的な学者に吉川洋(東京大学大学院の教授にして内閣府経済財政諮問会議のメンバー)がいる。筆者も吉川教授の講義を受けたことがあるが、非常に参考になった。筆者は法学部でありながら、吉川教授の授業を取ることができたが、吉川教授の授業が一番印象に残っている。

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