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2006年7月 9日 (日)

マスコミに見る人権意識の異常な低さ~やっぱり金(視聴率や発行部数)

広島女児殺害事件で、ホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告が無期懲役になった。
今の風潮から言うと量刑としては軽いなあというのが印象だが、この文章の内容はそんなことではない。
好きじゃないけど妻が見ているのでしょうがないから付き合って見ている「朝ズバッ!」で、アナウンサーが気になることを言っていた。

「父親の要望により、被害者の性的暴行の状況を公開します。また了承が得られたので、実名を報道します」

あれ、この女の子の名前って前々から報道されていたよな。と思って、インターネットで調べてみたら、読売onlineでもわかるように犯行当初から実名報道だった。
何なんだろうか、これは?

その後いろいろ調べてみると、犯罪被害者を実名と匿名のどちらで報道するかが議論になっており、マスコミは前者を支持し、犯罪被害者の団体は後者を支持しているようだ。
毎日新聞(TBSも?)はマスコミにあって稀有なのだが、性的犯罪被害者については、性的犯罪とわかった時点で、匿名(名前だけでなく住所も隠す)で報道するそうだ。

いろいろ考えてみたのだが、そもそも何で被害者の名前を実名で報道しなくてはならないのだろうか。
性的犯罪の被害者の女性の場合、犯罪被害について知られたくないという思いが強い。
そりゃそうだ。それによって、犯罪被害の精神的苦痛に加えて、周りからの視線という精神的苦痛が重なるからだ。

それゆえ、裁判は公開が原則であるが、性的犯罪については被害者の意向によっては被害者を公開しないような措置(衝立立てるとか)が取られる。
裁判は公開という原則はあるものの、被害者を匿名にすることにより被害者の人権を保護しているわけだ。

しかし、マスコミはどうか。
性的犯罪の被害者を匿名で報道するのは、必ずしも主流ではないようだ。
理由としては、匿名で報道すると犯罪ニュースのリアリティが失われるなどが挙げられている。
しかし、少年犯罪の場合、加害者は匿名で報じられているが、それによって記事のリアリティが失われているようには思えない。
少年犯罪が増えていることは、匿名でも十分実感できるし、発生件数等のデータでも十分補える話である。
警察側が匿名にすると、事件が隠蔽されるというおそれがあるというなら、警察が実名で発表して、報道側は匿名にするということでもいいように思う。

マスコミは過去の自らの過ちを認めず、いまだに被害者を実名で報道することにこだわっているようだ。
それによって、どれだけ多くの被害者が精神的苦痛を一層抱え込むことになるかはまったく考えていない。
もともと、報道の自由というのは知る権利から出てきたもの。
絶対君主制に対抗して、民主政治を実現するために手に入れた権利であり、本来であれば、公権力に対して行使されるべきものだ。
彼らは、本来行使すべき相手を誤っているようにしか思えない。
犯罪被害者のうち、少なくとも性的犯罪被害者については、匿名で問題ないはずだ。
最近では性的犯罪の被害者のうち、被害者が生存している場合は、匿名にするマスコミも増えているそうだが、生死に関わらず匿名にすべきではないか。
まあ、マスコミがほしいのはmoney(視聴率や発行部数)だから、そんなことは期待できないのかもしれないが・・・。

ちなみに、たかじんのそこまで言って委員会でも、このような議論がされていますね。結構参考になります。しかし、それにしても、マスコミが言うには、実名でなければリアリティがないというのは変だよね。でっち上げができるとか言ったって、じゃあ松本サリン事件はどうなるんだよ。あれこそ実名使ったマスコミによるでっちあげではないか。彼らには反省ということを知らないのだろうか。一番いいのは、被害者を実名にするんではなくて、記者を実名にすること。これなら、匿名報道にでっち上げがあるかないかの責任の所在がとれるでしょ!!

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