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2006年8月27日 (日)

新聞では書けない、三菱東京UFJが東京スター銀とのATM提携を解除する理由

毎日新聞によると、三菱東京UFJ銀行が、東京スター銀行とのATM提携の解除を通告したそうだ。

東京スター銀行が進める手数料無料のATM設置の結果、そちらに自行の利用者が流れているためだ。

ところで、ATMの手数料を無料にしてもなぜ東京スター銀行はやっていけるのか。
手数料には利用者から受け取る手数料と、口座のある銀行から受け取る手数料(銀行間手数料)がある。
前者を無料にして取扱量を増やせば、前者が無料でも後者でペイするというのが、東京スター銀行の目論見である。

しかし、この東京スター銀行の戦略の結果、自行の利用者が東京スター銀行に流れると、東京スター銀行以外の銀行は、東京スター銀行への手数料の支払が大きくなる。
一方、東京スター銀行の預金者が、それ以外の銀行で利用すると1件あたり100円の利用手数料が取られる。
したがって、東京スター銀行の預金者は、東京スター銀行のATMを優先して利用する。
その結果、東京スター銀行への支払手数料がネット(差し引き後の数字)でもかさむというわけだ。

で、この毎日新聞の記事によると、東京スター銀行による銀行間手数料の引き下げの検討が課題になるようなことが書いてある。

筆者は思うに、このようなことはないだろう。

というのも、東京スター銀行はMICSというネットワークを通じてATMの相互出金ができるようになっている。
このMICSでは一律銀行間手数料が固定されているはずである。
したがって、東京スター銀行一行で手数料の引き下げを検討できるはずがないのだ(ちなみにセブン銀行はMICSではなく、相対で提携しているので、手数料もセブン銀行と提携行で相対で決定している)。

それに、イーネットやローソンATMネットワークス、セブン銀行などでもカードが利用可能だが、実はメガバンク中心にこれらのコンビニATMを支援している。
例えば、イーネットやローソンATMネットワークスはあくまでATMという機械や保守・点検サービス等を提供しているだけであって、その中の現金や銀行間のネットワークの接続は、既存の銀行が管理銀行として担っている。
あくまで、イーネットやローソンATMネットワークスのATMは、既存の銀行の営業店舗として法律上は位置づけられており、現金も既存の銀行が用意しているのだ。

また、セブン銀行は既存の銀行とは別個の新規参入銀行だが、同社のディスクロージャーを見るとわかるように、メガバンクも5%弱株式を保有している。
設立当初から資本面で支援しており、三菱東京UFJ銀行はUFJ銀行の時から人材も送っている。

したがって、今述べたコンビニATMの取扱を銀行側は優先するわけで、単に銀行間手数料を引き下げれば済むという問題ではない。
これらのコンビニATMが根付いてきたのに、東京スター銀行の設置するATMに取扱を奪われたら、自らも支援する当初のコンビニATMの計画が崩れるからだ。
銀行ATMの提携の裏側を知っているマスコミは少ないと思うが、きちんとした視点でこの問題をもうちょっと深堀してくれないかなと思う今日この頃である。


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東京スター銀行が監修しているそうです。
これは結構いいですよ。

以下毎日新聞の記事です

 三菱東京UFJ銀行が、ATM(現金自動受払機)手数料の無料化を進める東京スター銀行に対し、自行の顧客が東京スター銀のATMを利用できる契約の解除を通告したことが22日、明らかになった。顧客が東京スターのATMに流れ、銀行間でやりとりする手数料を支払う三菱東京UFJの負担が重くなる可能性があるためだ。東京スターは全国約1600の金融機関と同様のATM提携をしているが、他の大手行や地銀も契約解除を検討する動きを見せ始めた。  大手行では公的資金の完済が相次ぎ、多額の利益が計上されるようになった。一方で預金金利は依然低水準で、顧客からは「ATM手数料の無料化などで利益を還元すべきだ」との声が高まっている。それだけに、無料ATMを利用できる契約の解除が広がれば、顧客の不満が高まるおそれもありそうだ。  東京スターは現在、首都圏を中心に約950台のATMを設置。04年5月からは、他行キャッシュカードでも平日昼間などにATMで現金を引き出す際の手数料を無料にしている。今年3月には、コンビニエンスストアチェーンのサークルKサンクスと提携。07年2月までに、各店に1台ずつ約1400台を設置する予定で、同様の無料サービスを提供する。  三菱東京UFJとの契約では、同行の顧客が東京スターのATMで現金を引き出した場合、顧客の手数料は無料だが、三菱東京UFJは1件当たり105円の銀行間手数料を東京スターに支払う。東京スターとすれば、手数料無料という「武器」で三菱東京UFJの顧客を呼び寄せ、手数料は銀行側から確保する格好になる。  この構図は、三菱東京UFJ以外の銀行との関係にもあてはまる。他行からも「他の銀行の顧客へのサービスで、収益を上げようとしている」(大手行)との不満が出ており、三菱東京UFJへの追随を検討する動きも出ている。  一方、東京スターは「総合的にさまざまな対応を検討したい」としているが、手数料ゼロという意味の「ゼロバンク」をうたってサービスを提供しているだけに、顧客手数料を有料化するのは難しいのが実情。銀行間手数料の引き下げなどが、検討課題になるとみられる。

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コメント

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投稿: FLYNNKaryn29 | 2011年8月 1日 (月) 01時12分

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