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2006年9月 7日 (木)

生きながらにして神になる方法

経済アナリストの森本卓郎氏をご存じだろうか。
小泉経済改革の負の部分をなど経済的な話題を取り上げることの多い氏だが、氏の政治に関するコラム「靖国神社を政治カードとして利用する小泉総理」は非常に面白く、考えさせられるものだった。

氏の父親は、特攻隊員に指名されたそうだ。
5人乗りの特殊潜行艇「咬竜」の乗組員だそうだが、この乗り物は自ら魚雷を発射するとともに最後は自ら魚雷として敵艦に突っ込むものだ。
普通は天皇のために戦死すれば、神として靖国神社に祀られることになるが、氏の父親は特攻隊員として指名されたところ、生きながらにして神様扱いされたそうだ。
天皇のために戦死することは確実とされたのであろう。
終戦間際としてぜいたくな羊羹を食べることもできたそうだ(結局のところ、氏の父親は終戦を迎えて特攻に参加せずに済んだそうだ)。

一方、氏の叔父は特攻隊員として戦死したそうだ。
特攻隊員として戦死したものの遺族の気持ちの代弁として以下のように記している。

遺族にとって靖国神社は心の支えであり、靖国で神として会えることをずっと信じて生きてきたのである。
それをいまさら政府の都合で、「あれは全くのウソでした。みんな、だまされていただけなんですよ」とは絶対に言えない英霊や遺族に対するこれほどのぼうとくもないだろう。


この話を聞くと暗然とした気分になる。
天皇のために戦死することでしか、自分の生涯を価値付けることができない人生。
そして、そうすれば神として祀られるんだと自分を納得させることしかない特攻隊員やその遺族。

虚構であっても虚構と指摘してほしくない、もしそう指摘されたら生きる支えを失ってしまう、そんな遺族の心境が読みとれる。

そのような心境に追い込んだ当時の体制を思うと、今とは隔世の感がある。
しかし、その一方で、そのような体制をたたえる人間もいる。

氏も特攻隊員の遺族だ。
しかし、小泉パフォーマンスを「靖国神社を政治カードとして利用する」行為と非難している。

小泉は特攻隊員の遺族まで敵に回して一体何をしたいのだろうか。
戦争を知らない世代で、中韓差別主義者の人気取りだろうか。

安倍晋三が次期自民党総裁そして首相間違いなしと目されているが、彼なら靖国神社に関する小泉路線を継承するだろう。
この小泉路線の弊害はいずれ目に見える形で明らかになるのかもしれない。

 

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